「歯科医院がTikTokをやって、本当に見てもらえるの?」
「フォロワーが多い有名な先生じゃないと伸びないのでは?」
「実際に伸びている歯科医院は、どんな動画を投稿している?」
歯科医院がTikTokを検討するとき、このような疑問を持つ先生も多いのではないでしょうか。
実際に歯科・矯正歯科・インプラント領域のTikTokアカウントを見ていくと、投稿スタイルはかなり異なります。
院長先生が一人で解説するアカウント。
スタッフとの掛け合いを中心にするアカウント。
症例やBefore・Afterを切り口にするアカウント。
患者さんの質問に答えるアカウント。
そして注目したいのが、
フォロワー数が数百〜1,000人台でも、数十万〜100万再生を超える投稿が生まれている事例がある
という点です。
つまりTikTokでは、単純にフォロワー数だけで動画の届く範囲が決まるわけではありません。
企画、テーマ、出演者、冒頭の見せ方などによって、普段その医院を知らない人にも動画が届く可能性があります。
この記事では、実際の歯科系TikTokアカウント7事例を匿名化して分析し、伸びている歯科TikTokに共通する企画・動画構成・活用方法を紹介します。
※本記事内のフォロワー数・いいね数・再生数は、提供いただいたTikTok画面の確認時点の数値をもとにしています。現在の数値とは異なる場合があります。個人名は掲載せず、アカウントの特徴ごとに匿名化して紹介しています。
歯科医院のTikTok活用事例7選
今回確認した7アカウントには、それぞれ異なる特徴がありました。
| 事例 | 特徴 | フォロワー規模 | 確認できた主な再生数 |
|---|---|---|---|
| 事例A | 矯正歯科医による質問回答型 | 約2.7万人 | 約12万、46万など |
| 事例B | 矯正歯科医院・患者疑問型 | 約1,000人 | 約1.6万、1.2万など |
| 事例C | 専門性・症例解説型 | 約1,800人 | 約1.8万、9,000など |
| 事例D | スタッフ参加・エンタメ型 | 約500人 | 約30万、22万、23万 |
| 事例E | 矯正専門医・個人ブランド型 | 約3.1万人 | 約2万、2.8万、6万など |
| 事例F | インプラント・診療Vlog型 | 約2.1万人 | 約1.3万、3.6万、5.3万など |
| 事例G | スタッフ出演・比較企画型 | 約1,500人 | 約113万、4.7万など |
事例A|先生自身をブランド化した「質問回答型」アカウント
事例Aは、矯正歯科領域の先生本人を中心に発信しているアカウントです。
確認時点でフォロワーは約2.7万人、累計いいねは約87万件。
投稿一覧では、
- 約12万再生
- 約46万再生
- 約2.7万再生
などが確認できます。
特徴的なのは、視聴者のコメント・質問をそのまま企画へ変えていることです。
たとえば、
「矯正中にこれを詰めたらどうする?」
といった具体的な患者疑問に、先生本人が回答する形式です。
この事例から学べること
TikTokのコメント欄は、単なる反応を見る場所ではありません。
次の動画企画を作るための患者ニーズ調査
として活用できます。
患者さんが実際に書いた質問であれば、同じ疑問を持っている人がほかにもいる可能性があります。
↓
質問を拾う
↓
1本の動画にする
↓
新しいコメントが付く
↓
次の企画へ
という循環を作れるのが強みです。
事例B|患者さんの「素朴な疑問」を企画にする矯正歯科アカウント
事例Bは、医院名義で運用されている矯正歯科アカウントです。
フォロワー数は約1,000人規模ですが、
- 約1.6万再生
- 約1.2万再生
- 約8,000再生
と、フォロワー数を超える再生を獲得している動画があります。
企画には、
- 「歯石って自分で取れない?」
- 「ぶっちゃけどれくらい?」
- 「矯正した歯はどれでしょう?」
など、患者さんが思わず答えを知りたくなるテーマが使われています。
この事例から学べること
専門家が解説したいテーマより、
一般の患者さんが普段使う言葉
の方が入口として強くなる場合があります。
たとえば、
「歯周基本治療について」
より、
「歯石って自分で取れないの?」
の方が、自分ごととして感じやすくなります。
事例C|専門性を前面に出す「症例・治療解説型」
事例Cでは、矯正治療や症例について専門的に解説する投稿が中心です。
フォロワーは約1,800人規模。
投稿では、
- 約1.8万再生
- 約9,000再生
- 約3,000再生
などが確認できます。
内容には、
- マウスピース矯正
- 歯列矯正の症例解説
- 高額施術
- 治療方法の違い
など、比較的専門性の高いテーマが使われています。
この事例から学べること
TikTokはエンタメだけの媒体ではありません。
専門家だからこそ話せる内容そのものがコンテンツになる
ケースもあります。
特に自費診療では、
- 治療方法の違い
- 症例
- 期間
- メリット・デメリット
- よくある誤解
など、患者さんが契約前に知りたい情報が多くあります。
これをわかりやすく短く伝えることで、専門性を感じてもらいやすくなります。
事例D|フォロワー約500人でも30万再生超「スタッフ参加型」
今回の事例で特に注目したいのが事例Dです。
確認時点のフォロワー数は約500人。
それにもかかわらず、
- 約30万再生
- 約22万再生
- 約23万再生
という動画が確認できます。
フォロワー数の何百倍もの再生数です。
企画では先生一人だけではなく、複数のスタッフが出演し、
- どの歯が一番痛い?
- 医療者と一般人の違い
- 歯科衛生士おすすめグッズ
など、視覚的に答えが気になる構成が使われています。
事例D
この事例から学べること
この事例からわかる大きなポイントは、
「フォロワーが少ないからTikTokを始めても意味がない」とは限らない
ということです。
動画単体の企画が視聴者の興味を引けば、既存フォロワーを大きく超える人へ届く可能性があります。
また、複数スタッフを出演させることで、
- 医院の雰囲気
- スタッフの人柄
- チーム感
も自然に伝えられます。
これは集患だけでなく採用にも活用しやすい形式です。
事例E|先生自身の専門性を軸にした個人ブランド型
事例Eは、歯列矯正領域の先生本人を中心にした発信です。
確認時点でフォロワー約3.1万人、累計いいね約36万件。
投稿では、
- 約2万再生
- 約2.8万再生
- 約6万再生
- 約4,000再生
などが確認できます。
症例画像やBefore・Afterだけでなく、
「働きませんか?」
といった採用系コンテンツも混在しています。
この事例から学べること
歯科医院アカウントは、
すべての動画を集患目的にする必要はありません。
一つのアカウントの中で、
- 患者向け
- 症例
- 専門性
- 院長の人柄
- 採用
を組み合わせることもできます。
結果として、
医院そのもののブランド形成
につながります。
事例F|診療風景までコンテンツ化する「Vlog・臨床型」
事例Fは、インプラント領域を中心に発信するアカウントです。
確認時点でフォロワー約2.1万人、累計いいね約75万件。
動画では、
- 約1.3万再生
- 約3.6万再生
- 約5.3万再生
- 約2.7万再生
- 約1.7万再生
などが確認できます。
特徴的なのは、
- 歯科検診Vlog
- 歯科医師自身のクリーニング
- 治療風景
- 治療内容の解説
など、医院の日常や臨床そのものをコンテンツ化している点です。
この事例から学べること
毎回ゼロから「面白い企画」を作る必要はありません。
歯科医院では、
日常業務そのものが一般の人には珍しい
ことがあります。
たとえば、
- 歯科医師は自分の歯をどうケアする?
- 歯科検診では何を見ている?
- クリーニングでは何をしている?
- 診療前に何を準備する?
などです。
医院側には日常でも、患者さんには「知らなかった」と感じるテーマになります。
事例G|約1,500フォロワーから100万再生超を生んだ比較企画
事例Gも非常に興味深いアカウントです。
確認時点のフォロワーは約1,500人。
しかしトップ投稿の一つでは、
約113万再生
が確認できます。
そのほかにも、
- 約4.7万再生
- 約1.8万再生
などがあります。
動画ではスタッフが出演し、
- AとBどちらが良い?
- 歯科衛生士おすすめ
- 矯正後の違い
など、一目で内容を理解できる比較企画が使われています。
事例G
この事例から学べること
TikTokでは、
「どちら?」
「何番?」
「正解は?」
といった、
視聴者が動画の答えを確認したくなる構造
が使いやすいです。
歯科医院なら、
- この中で一番着色しやすい飲み物は?
- 矯正中に避けたい食べ物はどれ?
- 電動歯ブラシと普通の歯ブラシ、どちらが向いている?
- この歯並び、どこが変わった?
などへ応用できます。
7つの歯科TikTok事例から見えた共通点
アカウント規模も診療内容も異なりますが、伸びている動画にはいくつか共通点があります。
共通点1|患者さんの疑問から企画を作っている
「医院が話したいテーマ」より、
患者さんが答えを知りたいテーマ
が多く使われています。
具体的には、
- これって大丈夫?
- どちらがいい?
- どのくらいかかる?
- 痛い?
- 自分でもできる?
といった疑問です。
共通点2|専門用語より「普通の言葉」を使っている
伸びている動画ほど、
専門用語をそのままタイトルにするより、
患者さんが普段使う言葉に置き換えています。
これは以前の記事でも解説した、
「専門情報を患者さんの疑問へ翻訳する」
という考え方です。
共通点3|先生だけでなくスタッフも出演している
複数の事例で、
- 歯科衛生士
- 歯科助手
- スタッフ
が登場しています。
スタッフ出演には、
- 動画に変化をつけられる
- 掛け合いができる
- 医院の雰囲気が伝わる
- 採用にも活用できる
というメリットがあります。
共通点4|一目で「何の動画かわかる」
サムネイルや冒頭を見ると、
「何についての動画なのか」
がかなり短時間で理解できます。
TikTokでは、
最初に内容を理解してもらうこと
が重要です。
共通点5|フォロワー数と再生数は比例しない
今回の事例で特にわかりやすいのが、
約500フォロワー → 約30万再生
約1,500フォロワー → 約113万再生
というケースです。
これは、
「TikTokはフォロワーを増やしてからでないと成果が出ない」
とは限らないことを示す一例です。
アカウントを開設したばかりでも、企画次第で大きなリーチを得る可能性があります。
逆に「再生数が高い=集患成功」とは限らない
ここは非常に重要です。
今回紹介したように、歯科TikTokでは数十万〜100万再生を超える投稿もあります。
しかし、
再生数が大きいことと、来院につながっていることは同じではありません。
Tik